『電力株を買うか迷っています…。』
『ガス株の特徴ってありますか??』
株式投資において、業種ごとに特徴があることを知っていますか?
株式投資では、業種のことを『セクター』と言い、『セクター』ごとの特徴を知ることで勝率を上げることができます。
『おはこんばんにちわ、ICHIと申します。』
『株の収益だけで生活している、専業5年目の個人投資家です。』
株式投資をする上で、『セクター投資』は押さえておきたいですね。
なぜなら、長い期間利益を出している投資家は、自分自身の得意なセクター、苦手なセクターを理解しているからです。
更に、『セクター』ごとに株価が動く特徴があり、そこを知っているだけでも、勝率が大きく変わります。
そこでこの記事では、『電力株』、『ガス株』セクターの特徴や、株価が動くポイントを紹介します。
Contents
電力株・ガス株の特徴『電力会社・ガス会社の株価が上がるポイント』
電力株とガス株の共通の特徴
まず、『電力株』と『ガス株』は、同時展開している企業も多く、似ている株価の動くポイントがあるため、まとめて紹介をしていきます。
電力株・ガス株と配当狙い
『電力株・ガス株』は、配当が魅力的な企業が多いため、配当狙いの投資家に買われやすい特徴があります。
そのため、権利確定日の前後1ヶ月が、株価が動きやすくなります。
配当や株主優待が魅力的な企業は、配当狙いの投資家、株主優待狙いの投資家が、権利確定日の約1ヶ月前から買いに入ることが多くなります。
更に、上記の理由で株価が上がることを予想し、買いが集まりやすくなります。
電力株・ガス株の業績予想
『電力株・ガス株』は、季節で業績の最盛期が、読みやすい特徴もあります。
・電力株 ⇒ 7~9月(エアコン使用による電力使用量の増加)
・ガス株 ⇒ 10~3月(暖房、熱効率によるガス使用量の増加)
電力株・ガス株と為替の関係
『電力株・ガス株』は、海外から燃料を輸入していることから、為替の影響を受けやすい特徴があります。
・円高 ⇒ プラス材料
・円安 ⇒ マイナス材料
電力株・ガス株と燃料価格
為替の影響と同じように、燃料を輸入していることから、燃料の相場変動にも業績が影響を受けます。
・燃料価格が下がる ⇒ プラス材料
・燃料価格が上がる ⇒ マイナス材料
電力株の特徴
ここからは、『電力株』に絞った特徴を紹介します。
電力株と原子力事業のリスク
『電力株』にとって、原子力発電を運営するコスト、廃炉コストとも、年々高くなってきています。
これまで原発は、低コスト発電と考えられていました。
しかし今後、高コスト発電に変わる可能性が高まっています。
この内容について重要な影響が及ぶのが、核燃料サイクル事業の成否になります。
『核燃料サイクル』とは、使用済み核燃料を再生して燃料を作り、再び原子炉で発電に使うことです。
これを、プルサーマル発電と言います。
なお、日本は『核燃料サイクル』が実現することを前提に、原発事業の原価を計算しています。
実現を前提としているため、使用済み核燃料は、資産として計上されています。
つまり、資源として扱われている訳です。
しかし、日本の核燃料サイクル事業は、何も実現されていません。
更に、安全性が確保できず、実現不可能とも見られています。
つまり、『核燃料サイクル』が実現することを前提に、原価を計算しているため、原発は低コスト発電とされています。
更には、原発の再稼働が、電力会社の財務を改善すると考えられているのです。
ところが、日本政府が『核燃料サイクル』を断念する場合、使用済み核燃料はゴミに変わります。
莫大なコストが掛かるゴミになってしまうのです。
もしも『核燃料サイクル』が断念された場合、原発はコストの高い発電と変わります。
更に、使用済み核燃料の最終処分コストが負担になり、『電力株』の財務が悪化する可能性が高くなってしまうでしょう。
『電力株』を選ぶ場合、原発事業を保有しているかを、必ず確認しておきましょう。
今後、財務状況が悪化する可能性があり、投資するリスクが高くなるかもしれません。
・東京電力(9501)
・中部電力(9502)
・関西電力(9503)
・中国電力(9504)
・北陸電力(9505)
・東北電力(9506)
・四国電力(9507)
・九州電力(9508)
・北海道電力(9509)
電力株と電力自由化
『電力株』では、電力事業の自由化が進行中です。
2020年に、発送電分離が予定され、3つの事業内容に分離されます。
・発電会社
・送配電会社
・電力小売会社
現状では、発電事業、電力小売事業への参入が自由化され、異業種からの参入が相次いでいます。
発送電事業の中でも、送配電事業は世界トップレベルの技術力を持ち、将来の投資先として注目される可能性が高い事業と言えます。
電力株と原油価格の関係
『電力株』は、原油価格の変動に、影響を受ける特徴があります。
しかも、原油価格の変動自体が、基本的にはデメリットとなる特殊なセクターです。
・原油高 ⇒ コスト増でのマイナス材料
・原油安 ⇒ 収益悪化の懸念から、売りが入りマイナス材料
原油高のコスト増加は、イメージしやすい内容ですね。
そして、原油安の収益悪化は、エネルギー関連株特有の動きとなっています。
『電力株』の株価の動きを予測するためには、『原燃料費調達制度』を押さえておきましょう。
『原燃料費調達制度』は、燃料価格変動によるコスト増減を、3カ月後の電力料金に自動的に転換できる制度です。
つまり、原油価格が上がれば、料金を3カ月後に引き上げます。
逆に、原油価格が下がれば、3カ月後に料金を引き下げます。
電力株と節電意識
当然のことですが、『電力株』は節電要請や、節電意識の高まりなどが、マイナス材料となりやすい特徴があります。
これは、原油安と同じように、業績悪化の懸念から売りが入りやすくなり、株価に影響を与えることになる訳です。
電力株と自己資金比率
『電力株』は、停電対策などもあり、高い設備投資を続けています。
そのため、有利子負債が多く、自己資金比率が低い銘柄が多くなっています。
配当が高いため、長期的な投資を考える人も多いでしょうが、財政面から見ると魅力が薄くなりがちですね。
まとめ
今回は、『電力株・ガス株』セクターの特徴や、株価が動くポイントを紹介しました。
『電力株・ガス株』は、エネルギー関連として、似通った特徴があります。
それが、配当狙いの投資が多いことです。
『電力株・ガス株』には、配当が魅力的な企業が多く、権利確定日前後に株価が変動しやすくなっています。
そのため、売買タイミングが比較的予測しやすいのではないでしょうか。
また、年内の最盛期が分かりやすく、決算に向けての業績予想も、しやすいセクターです。
業績予測に合わせて、為替や燃料価格の変動を押さえることで、株価の動きもイメージしやすいはずです。