2019年8月14日に、『逆イールド』が発生しました。
経済や金融市場などのニュースで、やたらと伝えられている『逆イールド』とは、どんな内容なのでしょうか??
『株の収益だけで生活している、専業5年目の個人投資家です。』
投資や経済に興味がある人であれば、『逆イールド』を聞いたことがあるでしょう。
この『逆イールド』が発生したことで、2019年8月14日のNYダウは800ドル下落し、今年最大の下げ幅を記録しました。
世界的な経済不安の始まりと言われる『逆イールド』ですが、どのような内容か知っていますか??
株式はもちろん、為替にも大きく影響をもたらす『逆イールド』。
そこでこの記事では、『逆イールド』の内容を紹介します。
Contents
逆イールドとは何?なぜ起こる?『逆イールドを分かりやすく説明』
『逆イールド』とは、満期までの期間が長い債券利回りが、期間の短い債券利回りよりも低くなることです。
本来であれば、
短期金利 < 長期金利上記が自然な状態です。
しかし、今回の『逆イールド』は、
短期金利 > 長期金利
と、普段では有り得ない、逆転現象なのです。
『何が問題なの??』
確かに、債券の利回りも変動します。
そのため、何が問題かも分からない人も沢山いることでしょう。
債券利回りの基本
まずは、簡単に債券の基本を押さえておきましょう。
分かりやすくするために、『債券』を『借金』として説明します。
人にお金を貸しました。
友達や知人の貸し借りではないので、金利・利息を取ります。
自分のお金を人に貸すので、少しでもプラスにしたいですからね。
そして、AさんとBさんの2人に、お金を貸すことにしました。
・Aさん ⇒ 1ヶ月後に返済予定
・Bさん ⇒ 10年後に返済予定
お金が返済される可能性は、どちらが高いでしょう??
もちろん、期間の短いAさんの1ヶ月ですよね。
将来、何があるか分かりませんからね。
期間が長くなる程、リスクが高くなると言えます。
それだけではなく、本来自分のお金であり、自分で使うことができるのに、貸したことにより使うことができません。
機会損失の期間が、長くなってしまう訳です。
そのため、期間が長い程、金利・利息が高くなるのです。
以上が、債券利回りの簡単な基本です。
短期債と長期債の基本
では次に、『短期債』と『長期債』の基本を押さえておきましょう。
『短期債』は、中央銀行が定める政策金利の影響を受けやすくなっています。
日本であれば日銀、アメリカならFRBが定めています。
次に『長期債』は、将来の見通しによって決まります。
経済成長率や物価上昇率など、投資家の見方が反映します。
将来の見通しは、国債の売買に表れます。
将来に不安を持つと国債が買われ、利回りが下がります。
そのため、長期金利が下がると、将来の見通しが不安とされる訳です。
短期債と長期債は何を指すのか?
国債の短期債と長期債の目安を紹介します。
・短期債 ⇒ 2年物国債
・長期債 ⇒ 10年物国債
上記が、基本的な目安となっています。
『短期債』が、金融政策に反応しやすい2年物国債の利回り。
また、一つの指標として、3カ月物の国債の利回りを『短期債』として見るケースもあります。
『長期債』が、その国の金利の指標という意味が強い10年物国債の利回り。
つまり、今回の『逆イールド』は、
2年物利回り > 10年物利回り
となった状態を指しているのです。
逆イールドは景気後退のサイン
ここまでで、大まかな『逆イールド』の内容を理解できたと思います。
・2年物利回り > 10年物利回り
それでは、『逆イールド』が、なぜ話題になっているのでしょうか??
それは、『逆イールド』は景気後退の予兆とされているからなのです。
本来、国債の利回りは、長期債ほど金利が高くなるのが一般です。
期間が長いほど、リスクが高くなるため、当然の内容です。
しかし、『逆イールド』が起こってしまいました。
『逆イールド』は、将来的に景気が後退して、金利が低い水準に低下すると投資家に考えられいる表れです。
リーマンショック以来の逆イールド
2007年に、リーマンショックが起こりました。
この時も『逆イールド』が発生しました。
景気拡大終盤で、『逆イールド』が発生するのです。
リーマンショックの結果は、皆さんも知っているでしょう。
逆イールドでの景気後退は100%
アメリカでは、1990年移行、3回の景気後退局面がありました。
その際、全ての場面で10年物国債の利回りと、2年物国債の利回りの『逆イールド』が発生しています。
過去のデータとは言え、高い確率で景気後退をするサインとされているのです。
まとめ
今回は、『逆イールド』の内容を紹介しました。
本来であれば、リスクが高くなる分、
短期金利 < 長期金利
上記が一般的です。
しかし、基準となる短期債(2年物利回り)と、長期債(10年物利回り)が逆転してしまいました。
・2年物利回り > 10年物利回り
これは、将来の景気後退のサインとされています。
すぐに表れる物ではありませんが、1~2年後に高い確率で、景気が後退するでしょう。
今の内に対策を練って、相場の大変動に備えておきましょう。