『自社株買いとは、どういう意味ですか??』
『自社株買いで、株価はどうなりますか??』
株式投資をしていると、『自社株買い』のニュースを聞くことになります。
それでは、『自社株買い』とは、どのような内容なのでしょうか??
『自社株買い』とは、企業が発行した株式を、市場から買い戻す行為をいいます。
それによって、流通している株式の総数が減るため、株式の価値が上がります。
また、企業の経営状態が改善されることから、株価が上がりやすくなります。
『おはこんばんにちわ、ICHIと申します。』
『株の収益だけで生活をしている、専業5年目の個人投資家です。』
『自社株買い』は、株価が上がることが多く、注目したい情報です。
しかし、必ず株価が上がる訳ではありません。
それでも、株価が上がる確率が高いのであれば、内容を知っておきたいですよね!!
そこでこの記事では、『自社株買い』の内容や、株価が上がる理由を紹介します。
Contents
自社株買いの理由とメリットとは『株価に影響する償却と処分の違い』
それでは、『自社株買い』の内容から紹介します。
『自社株買い』とは、企業が発行済みの自社の株式を、市場から買い戻すことを言います。
そして、『自社株買い』をすることで、市場に流通する株式が減ります。
それによって、1株当たりの利益が増え、株価が上がりやすくなるのです。
また、『自社株買い』を行うには、企業も資金が必要です。
『自社株買い』の資金は、当期純利益や、利益余剰金などが使われます。
では、なぜ『自社株買い』を、企業がするのでしょうか??
株主への利益配分を増やす
『自社株買い』をする理由は、株主への利益分配を増やすためです。
ちなみに、株主への利益配分を増やす方法は、2つあります。
・増配
・自社株買い
『増配』とは、配当金を増やすことを言います。
また、『自社株買い』は企業にもメリットがあるため、『自社株買い』の方が高く評価されます。
自社株買いの企業メリット
次に、『自社株買い』の企業メリットを紹介します。
『自社株買い』の企業メリットは、大きく分けて3つあります。
・ストックオプション
・敵対的買収の防衛
・配当金の支払いが減少
ストックオプション
『ストックオプション』とは、従業員が自社の株を定められた価格で、買うことができる権利のことをいいます。
つまり、株価の上昇が従業員の利益になる訳です。
そのため、従業員のインセンティブにもなり、従業員の仕事へのモチベーションに反映します。
結果、企業の業績が上がる可能性に繋がっていくのです。
『ストックオプション』の簡単な例を挙げておきましょう。
・企業の株価500円
⇓
・ストックオプションを付与(株価500円)
⇓
・株価が1,000円に上昇
⇓
・従業員は500円で買えるため、500円の利益を確実に獲得
敵対的買収の防衛
『自社株買い』は、敵対的買収の防衛にもなります。
敵対的買収を考えている企業などは、株価が上がることで、買収する時に必要な資金が大きくなります。
また、『自社株買い』により、自社の持ち株比率が増します。
結果、敵対的買収がしずらくなるのです。
配当金の支払いが減少
『自社株買い』をした株式には、配当金を支払わなくて済みます。
つまり、配当金の支払い総額を、減らすことができる訳です。
自社株買いの企業デメリット
ここまでの説明では、『自社株買い』のメリットを紹介しました。
次に、デメリットを紹介します。
基本的なデメリットは、自己資金比率の低下です。
自己資金比率の低下
『自己資金比率』とは、企業の総資産のうち、自己資本の割合を表すものです。
『自己資金比率』は、企業の安定性を計る指標の1つになっています。
自己資金比率 = 自己資本 ÷ 総資産
『自社株買い』をすることで株式が減ると、自己資金比率も下がるのです。
一般的に、20%を下回ると危険とされています。
自社株買いで株価が上がる目安
『自社株買い』により、株価が上がることが多くなります。
そこで、株価上昇の目安を紹介します。
発行済株式数が何%減るか
発表された『自社株買い』が、全て実行されるとしましょう。
その際、発行済株式数が何%減るかを見てください。
分かりやすくするために、仮で3%減るとして、例をあげてみます。
・発行済株式数 ⇒ 3%減少
⇓
・1株当たり利益 ⇒ 3%増加
⇓
・株価 ⇒ 3%上昇
自社株買いの株価注意点
注意してもらいたい点は、『自社株買い』で必ず株価が上がる訳ではありません。
そこで、注意点を2つあげます。
・株価が急上昇、急下落しやすい
・株式の償却と処分の違い
株価が急上昇、急下落しやすい
株は、『思惑で上がり、事実で下がる』ものです。
まずは、短期投資の先回り買いが入ります。
先回り買いにより株価が上がり、『自社株買い』が続いている間、株価は安定しています。
しかし、『自社株買い』の終了が発表されると、短期投資家は一斉に売ります。
『自社株買い』の情報を知り、株価の上昇を確認した後に、買いポジションを取ったことで、損失をだしてしまう可能性があるのです。
『自社株買い』絡みの、短期投機筋の動きには注意して下さい。
株式の償却と処分の違い
『自社株買い』には、償却と処分があります。
『償却』は、取得した株式を消滅させることを言います。
そのため、発行済株式数が減りので、1株当たりの価値が上がります。
結果、株価が上がりやすくなります。
『処分』は、取得した株式を売却することを言います。
そのため、発行済株式数が元に戻り、1株当たりの価値も戻ります。
結果、株価が下がりやすくなります。
この『償却』と『処分』の違いを理解しないと、思いがけない損をするので注意して下さい。
まとめ
今回は、『自社株買い』の内容や、株価が上がる理由を紹介しました。
『自社株買い』によって、1株当たりの価値が上がり、株価は上がりやすくなります。
『自社株買い』の目的は、株主への利益分配を増やすためです。
そして、企業側にもメリットがあります。
株価が上がりやすいため、『自社株買い』の情報は大切です。
しかし、必ず株価が上がる訳ではありません。
そして、『償却』と『処分』の違いを理解して、投資の目安に使ってみて下さい。